塗装の豆知識

マンション・アパートの雨漏りの対処法!修理費用はいくらになる?

ビルやマンション、アパートなどでも戸建て住宅と同様に雨漏りが発生してきます。
ただ、戸建て住宅と比べて規模が大きくなるために補修費用がどれくらいかかるのかがイメージしにくいということもあります。
そこでここではマンションやアパートの雨漏りの対処法、修理費用などについて紹介していきたいと思います。

マンションやアパートの雨漏りの責任は誰にあるのか

マンションやアパートなどと戸建てでまず違っているのは責任の所在です。
自分の持ち家である戸建て住宅であれば雨漏りが発生しても自分の責任となるのですが、マンションなどの場合は違ってくる場合もあります。
そこでここでは原因ごとの責任の所在について紹介していきます。

マンションの住民の過失の場合

マンションに住んでいる人の過失によって雨漏りが発生してしまった場合などはその住民の責任ということになります。
よくあるケースでいえば、
・大雨の日に窓を開けっ放しにしていて水が大量に部屋に入り込んだ
・風呂の水を止めるのを忘れていてあふれ続けた
・ベランダの排水溝の掃除をしていなくてゴミや落ち葉が詰まって水があふれた
といったケースでは住民の過失によって雨漏りが発生することとなりますので、これらの場合は住民の責任ということとなります。

マンション自体が老朽化している場合

住民に過失がない場合であっても雨漏りが発生するということはあります。
例えばマンション自体が老朽化してきたことによって屋上や外壁にひび割れが起きてきて、そのひび割れから雨漏りが発生している場合などはマンションの家主や管理組合の責任ということになります。
管理組合、管理会社はこうした老朽化による破損などは適宜補修するという義務がありますので、定期的にメンテナンスを行わなければなりません。

施工不良が原因の雨漏り

単純にコーキングの打ち忘れや不具合、塗装のミスなどはその施工を行った業者の施工不良ということになります。
こうした施工不良については施工業者の責任となります。
コンクリートのひび割れや隙間などが施工ミスであった場合は保証期間内であれば無償で補修工事を受けられるのが一般的です。

✅管理組合や業者の責任の場合は雨漏りを理由に家賃減額はできるのか

基本的には部屋で雨漏りが発生したからといってそれを理由に家賃を減額することはできません。
これは賃貸借契約書にも記載されています。
ただ、雨漏りが起きているのを管理会社などに連絡をしているのにいつまでも補修されないといった時には家賃減額交渉を行うことができます。
これは2020年に民法が改正された際に「設備などが故障により一部使用不能になったときに、これが借主の過失によるものでなければ、使用できなくなった部分の割合に応じて、当然に賃料は減額される」と規定されたことが理由となっています。

マンションやアパートの雨漏りが起きた際の対処法

マンションやアパートで雨漏りが発生した際にはとりあえずは応急処置を行うこととなります。
この応急処置の方法については後で説明しますが、他にもしなければならないことが多くあります。
ここでは雨漏りが起きた際の対処法について紹介をしていきます。

管理会社、管理組合に連絡をする

マンションを購入している場合はそのマンションの管理組合に、賃貸の場合は管理会社に雨漏りがしていることを連絡することとなります。
どういった場所で、何が原因で雨漏りが発生しているかによって責任の所在が違ってきますので雨漏りが発生している場所の写真、動画などを撮影しておくと良いでしょう。

契約書の内容を確認する

特に賃貸マンションなどの場合は管理会社との間に結んだ賃貸借契約書に重要なことが記載されています。
雨漏りが起きた際にどのように対処するかということについても書かれていることが多くなっています。
契約書の内容によってはどのような原因での雨漏りについても管理会社が費用を出して補修をするということが記載されている場合もあります。
業者などに依頼する前に必ず契約書を確認するようにしましょう。

修理業者に連絡をする

雨漏りは専門の業者にしっかりと補修してもらう必要があります。
そのため、補修業者に連絡をして依頼することとなるのですが、業者の選び方にもポイントがあります。

✅できるだけ早く対応してくれる業者を選ぶ
雨漏りは放置しておくとどんどん被害が大きくなります。
修理をするまでに大雨が降ったりすると大きな被害が出てしまうでしょう。
そのため、できるだけ早く対応してくれる業者に依頼するということが重要です。
ただ、必要以上に契約を急がせるような業者は悪質な業者もありますので、契約自体は慎重に行う必要があります。

✅アフターケア、アフターサービスがある業者が安心
業者によっては補修工事を行ったあと「3年保証」「5年保証」「10年保証」をつけてくれる場合があります。
補修をした同じ場所から期間内に再び雨漏りがした場合は保証してもらえるというもので、これがあると安心です。

✅雨漏りの原因や発生している場所に応じて業者を選ぶ
雨漏りの補修をする業者にもさまざまな専門分野があります。
雨漏りが発生しているのが外壁からなのか、天井からなのか、窓枠からなのかによって外壁業者、内装業者、サッシ専門業者など対応業者が違ってくるのです。
もちろん総合的に扱っている工務店などもありますので、雨漏りの発生場所に応じて業者を選んでいくと良いでしょう。
いくつか業者の候補がある場合は「相見積もり」をとることをおすすめします。
複数の業者で見積もりをとって価格と工事の内容のバランスが良いところを選ぶとより失敗を減らすことができます。

火災保険、損害賠償責任保険の内容を確認する

どういった場合でも必ず保証されるというわけではありませんが、雨漏りの原因や発生場所によっては火災保険や賠償責任保険が適用される場合があります。
この場合も保険契約の内容をしっかりと確認するとともに、雨漏りが発生している場所の写真や動画を撮影しておくとスムーズです。

マンションやアパートの雨漏りの修理費用について

マンションやアパートで雨漏りが発生するのは屋上の防水層のトラブルなどが原因となることが多くなっています。
ここでは修理費用をだれが出すのか、費用の相場はどれくらいなのかということについて紹介していきます。

基本的には管理会社、管理組合が支払う

マンションの住民が重大な過失をおかして雨漏りが発生したという場合を除いては基本的には管理会社、管理組合が修理費用を支払うようになっています。
分譲マンションの場合は住民から積立金として集めているお金で支払いを行います。
賃貸マンションの場合は管理会社が支払うこととなります。
ただ、一般的にマンションは火災保険に加入していますので、実際には保険会社が支払うこととなるでしょう。

修理費用の相場とは

マンションやアパートの大きさ、雨漏りの発生している範囲、建物の築年数などによって費用は大きく違ってくることとなります。
それぞれの項目については「回数」「箇所」「㎡あたり」で費用が計算されるようになっています。
ここではそれぞれの項目の費用の目安を紹介していきます。
・雨漏りの発生範囲、原因特定調査費用  3~5万円/回
・防水シートの撤去  8000~9000円/㎡
・コーキング補修   1000~3000円/㎡
・屋根の補修     1500~3500円/㎡
・外壁ひび割れ補修  3~5万円/箇所
・全面改修工事    3000~5000円/㎡

これらの費用に加えて高所での作業となる場合は足場の組み立てや解体費用が必要となってきます。
建物が大きいとそれだけ費用も高額になってくるため、見積もりを比較するのも重要となってきます。

マンションやアパートの雨漏り時の応急処置について

マンションやアパートで雨漏りが発生した際には管理会社や修理業者に連絡をして補修をしてもらうこととなるのですが、それらの補修が終わるまでにも雨漏りはし続けることとなります。
放置しておくと被害が大きくなるため、まずは応急処置を行うこととなります。

ブルーシート、ビニールシートをかぶせる

簡単で効果が高い応急処置としてブルーシートやビニールシートをかぶせるという方法があります。
雨漏りは調査結果が出るまでどこが原因かはわかりにくいものですので、とりあえずブルーシートなどで広範囲をカバーするのが効果的なのです。
風で飛ばされないようにブルーシートを広げたら重りなどを使って固定してしまいましょう。

防水テープを使用する

雨漏りが発生しているからといって、釘やコーキングなどを使って自分で補修をするというのはやめておきましょう。
不必要に穴を開けてしまうことにもなりますし、コーキングは後で業者が補修する際に邪魔になってしまう場合もあります。
そんな際に役立つのが防水テープです。
乾いた布でしっかりと水気を拭き取って、防水テープを貼ることで水の侵入を防ぐことができます。
不要になったら剥がすのも簡単ですので、応急処置としては非常に適しています。

バケツ、洗面器、タオル、雑巾などで水を防ぐ

雨漏りが室内で発生してくると落ちてきた水で家電や家具、床が傷んでしまうことがあります。
水が落ちてくる場所にバケツや洗面器を設置して水を防ぐとともに、窓サッシなどから水が浸入してくる場合にはタオルや雑巾などを使って防ぐという必要があります。
とにかく家電や家具に水が直接当たらないようにするということが重要なのです。

まとめ

マンションやアパートなどでも雨漏りが発生する場合があります。
何が原因なのか、どこから雨漏りが発生しているのかということによっても責任の所在は違ってきますが、基本的には防水工事などの補修工事については管理会社や管理組合が行うことが多くなっています。
ただ、雨漏りの補修費用がどれくらいかかるのかということについてはある程度把握しておくようにしておきましょう。

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