塗装の豆知識

防水工事に使用する防水塗料の種類は?特徴や選び方を解説!

ビルやマンションの屋上では定期的に防水工事を行う必要があります。
その際には防水塗料が使用されることとなります。
ただ、一般的に「防水塗料」という塗料が販売されているわけではなく、弾性が高い、防水性が高いといった性質の塗料を防水塗料と呼んでいることがほとんどです。
ここではそんな防水塗料の特徴や選び方などについて紹介していきたいと思います。

防水塗料と非防水塗料の違いとは

塗料といえば屋根、外壁、ベランダなど幅広い場所で使用されるものですが、その中でも防水塗料と非防水塗料に分かれています。

防水塗料の概要について

防水塗料はその名前の通り、防水性が必要とされる場所で使用されるものです。
ビルやマンションの屋上やベランダなど雨風にさらされる場所では防水性が何よりも重視されます。
こうした場所では「弾性が強い」「柔らかい」「防水性が高い」塗料を使って、塗装面のひび割れや隙間を埋めていくことができるようになります。

非防水塗料の概要について

非防水塗料と呼ばれる塗料は弾性が弱く、経年劣化によってひび割れしたり剥がれたりすることが多い塗料です。
紫外線が直接当たるようなところで使用すると塗料が固まってしまい、ひび割れすることが多くなっています。
そう考えると良い点がないように感じますが、この非防水塗料は「通気性が良い」というメリットがあるため、雨風や紫外線が直接当たらないような場所であれば湿気がこもりにくく、使いやすいものとなっています。

防水塗料には「壁用」と「床用」がある

雨風を防ぐために使用する防水塗料ですが、この防水塗料にも大きく分けると2つの種類があります。
ここではそれらの2つの種類について紹介します。

壁用の防水塗料とは

壁用の防水塗料とはコンクリートやモルタルなどのような素材のひび割れしやすい外壁に塗装する際に使用します。
非常に弾性が強い塗料が使用されるために「弾性塗料」と呼ばれることも多くなっています。
弾性塗料は長期間防水性を維持することで外壁を保護するという意味合いがあるだけでなく、外壁の着色効果もあります。
この外壁に使用される塗料は塗装した後に乾燥するとゴムのように伸縮するという性質があるためです。
この弾力性によってもしひび割れが起きたとしても水が浸入するのを防ぐことができているのです。

このように防水効果が高い弾性塗料ですが、外壁の素材によっては使用できない場合もあります。
※近年一般住宅でもよく使用される窯業系サイディングボードには使用はされません。
窯業系サイディングボードは蓄熱性が高いために水蒸気が発生することがあります。
弾性塗料は防水性が高いために内部から発生した水蒸気が塗膜を浮かせてしまう、膨らませてしまうということがあるのです。

床用の防水塗料とは

ビルやマンションの屋上やベランダ、バルコニーなどで使用される塗料は床用の塗料と呼ばれています。
基本的には屋上やベランダといった平らな場所の床面で使用され、「トップコート」と呼ばれることもあります。
トップコートはウレタン防水、FRP防水などの防水層の上側に作成されるもので、摩擦、雨風、紫外線などから防水層を保護するために設置されます。
保護コーティング材と考えれば良いかもしれません。

これらの「壁用」「床用」の塗料の見分け方については塗料に書いてある用途で判断できます。
塗料の缶に「外壁用」「コンクリート用」「モルタル用」といった文字が書かれていれば「壁用」ですし、「ベランダ用」「屋上用」などの文字があれば「床用」ということになります。

外壁用防水塗料の種類とは

茅ヶ崎市にてダクト撤去作業・外壁塗装工事の様子

外壁用防水塗料の中にもその主成分によって種類が分かれています。
ここではそれぞれの特徴について簡単に紹介していきます。

アクリル塗料について

アクリル塗料は「安い」「扱いやすい」という特徴があるため、昔は主流の塗料でした。
重ね塗りもしやすく、発色も良いことから見栄えが整いやすいので重宝されましたが、耐久性が低く、耐用年数も5~6年程度と短くなっていることから最近は利用が減ってきています。
耐用年数が短いということはそれだけ頻繁に塗装メンテナンスを行う必要があるため、コストパフォーマンスという点で考えればそれほど優れていないと考えられるようになったためです。
ただ、安くて扱いやすいために最初からそれほど長期的に使用する目的ではない建物に使用するのであれば非常に優れた塗料と言えます。
一時的に使用する建物、とにかく費用をかけたくない建物には最適な塗料だと言えるでしょう。

ウレタン塗料について

こちらは「弾力性」「耐久性」「防水性」「密着性」のバランスが非常にとれている塗料です。
そのバランスの良さから幅広く使用されている塗料ですが、いくつかのデメリットもあります。
まず「紫外線に弱い」という点があります。
日差しが強く当たる外壁に使用すると劣化が早くなるのは弱点と言えます。
また、経年劣化してくると汚れが目立つようになってくるだけでなく、変色してしまうこともあるため見栄えが急激に悪くなります。
耐用年数は10年前後となっていますので、定期的に塗装メンテナンスを行う必要がありますし、10年経っていなくても見栄えが悪くなってきていると塗装メンテナンスを行うタイミングだと言えます。

シリコン塗料について

「耐久性」「防水性」が高く、見栄えも美しくなりやすいために現在幅広く使われるようになっている塗料です。
耐用年数も10~12年ほどと長めになっているためにコストパフォーマンスにも優れています。
ただ、他の塗料と比べると弾力性が低いという特徴があるためにひび割れなどが起こりやすいという塗料でもあります。
ひび割れは目で確認できる劣化サインですので、外壁を見ていてひび割れが目立つようになってくると塗装メンテナンスを行うタイミングだと言えます。

フッ素塗料について

フッ素塗料は他の塗料と比べても「耐久性」「耐熱性」「防水性」などが非常に優れている塗料です。
特に耐久性が高いという特徴から頻繁に塗装メンテナンスを行うことができない大型ビル、マンションなどの建造物で使用されることが多くなっています。
長期間のコーティング効果が見込める塗料なのですが、他の塗料よりも高額な費用がかかるために一般住宅ではあまり使われていませんでした。
ただ、近年はそのコストパフォーマンスが評価され、一般住宅でも使用が増加傾向にあります。

防水工事を行う際の注意点、塗料の選び方について

実際に防水工事を行う際の注意点や費用、塗料の選び方などは分かりにくい部分もあります。
ここではそれらについて順に紹介していきます。

防水工事の塗装費用について

基本的に防水工事を行う際には防水層や表面の塗装などすべての合計で費用がかかってくるために個別で塗装費用だけを払うということは少ないかもしれませんが、外壁の塗装メンテナンスを行う際などははっきりと金額が出やすいものとなっています。
合計に含まれる場合でも必ず個別の明細を確認してどれくらいの単価になっているかは確認しておきましょう。
一般的には塗料の値段は「塗装面積1㎡あたり800~1000円ほど」の範囲です。
800円台前半程度なら安い部類に入りますし、1000円を超えてくると高い部類に入ると言えます。

防水工事の塗料の選び方について

塗料は主成分によって種類が違うため、まずはそこで選ぶことになります。
その他の塗料選びのポイントとしては以下のようなものがあります。
「✅サイズ」
塗料は缶の大きさがいくつかあるものもあります。
ただ、大きいサイズだけを買っていると少しだけ足りないという時に不都合が出るため、できれば足りなければ小さいサイズを買い足すというようにすることをおすすめします。
一度開封した缶は長期間おいておくことはできないので、使い切るように配分しなければいけません。

「✅色合い、カラーバリエーション」
ビルやマンションの屋上などではグレーの色合いのものを使うのが一般的ですが、製品によってはブラウン、ブラック、グリーンなどのものもあります。
建物に合わせて色合いを選んでいくと良いでしょう。

「✅付加機能」
塗料には基本的に防水機能、弾力性などが備わっていますが塗料の中には特別に防水性が高いものや遮熱機能、紫外線対策機能などが備わった製品もあります。
建物がある環境を考えて必要な機能があるものを選んでいくと良いでしょう。

早めの塗装メンテナンスを心がける

どのタイミングで防水塗料の塗装メンテナンスを行うのかについては基本的には「早め」を心がけることをおすすめします。
まだ雨漏りしていないから大丈夫と考える人が多いのですが、ビルやマンションの屋上でトップコートが薄くなっている、剥がれているという場合が続くと内側にある防水層が直接ダメージを受けることとなります。
ウレタン防水、FRP防水などの防水層が雨水や紫外線にさらされることでこれらの劣化が進んでしまうのです。
この防水層まで劣化が進んでしまうと防水工事の際に防水層、トップコートなどをすべて剥がして補修メンテナンスを行うこととなります。
こうなると工事の規模も大きくなり、費用もさらにかかってくることとなります。
トップコートを塗装しなおすだけで済むという段階で塗装メンテナンスを行うことによって工事の費用を抑えることができます。
そのために早めの塗装メンテナンスが重要なのです。

まとめ

防水工事を行う際には防水層や外壁の表面に防水塗料を塗装することとなります。
ただ、この防水塗料にもいくつかの種類がありますので、建物の状況や周囲の環境などを合わせて考えたうえで選んでいくと良いでしょう。
また、防水塗料には外壁、コンクリートなどに使用する「壁用」と屋上やベランダなどに使用する「床用」がありますので、どういった場所に使用するのかに合わせて選んでいくことをおすすめします。

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