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防水工事とは?工事の流れから防水の重要性について解説

防水工事とは?工事の流れから防水の重要性について解説

建物の屋上、屋根、ベランダといった部分は雨風にさらされることが多いため、特別に水から保護するための処置をする必要があります。
これを「防水工事」といいます。
そこでここでは防水工事の種類、重要性、工事の流れなどについて紹介していきたいと思います。

防水工事とはどういったものか

防水工事にも色々な種類があるのですが、それぞれにメリットやデメリットがあるためまずは特徴を知っていくことが重要です。
ここではまず防水工事の概要について紹介していきます。

防水工事の目的とは

防水工事は建物の屋上、屋根、ベランダ、バルコニーといった雨にさらされやすい場所を雨水から保護するための処置をする工事です。
一般的にはコンクリートでできている部分に施工する工事のことを言います。
コンクリートでできた躯体を雨風から保護することによって建物を正常な状態に維持するということを目的としています。
工事の際に使用する素材、材料によってさまざまな工法があり、それぞれに特徴があるため建物の状況や周囲の環境などを考えて選んでいくと良いでしょう。

防水工事の4つの種類とは

後で細かく紹介しますが、基本的に防水工事には4つの種類があります。
ここではそれらを簡単に紹介していきます。

✅アスファルト防水工事
古くから使用されている工法であり、高い信頼性と安定感があります。
道路を舗装しているアスファルトを使用しており、最近ではシート状のものを火で炙って貼り付ける方法が多く使用されています。

✅ウレタン防水工事
ウレタン樹脂を化学反応によって硬化させて防水層を完成させていく工法です。
ペンキのように塗布して施工していく工法なので施工しやすいという特徴があります。

✅塩ビシート防水工事
塩化ビニール製の防水シートで施工する工法です。
防水シートを作成した時点で防水機能が完成しているため、施工時に失敗しにくい、高い防水性を確保できるという特徴があります。

✅FRP防水工事
FRPはガラス繊維などによって強化されたプラスチックを使用する防水工事です。
完成すると軽い、硬い防水面が出来上がるのでベランダなどで多く使用されている工法です。

アスファルト防水工事の種類、メリット、デメリットとは

もっとも古くから使用されている方法であり、安定した効果が望めるものして広く利用されているのがアスファルト防水工事です。
このアスファルト防水工事にも3つの種類があるので、それぞれの工法の特徴を順に紹介していきます。

熱工法とは

熱工法はアスファルトを200~270℃ほどの高温に熱した上で、流し込んで防水シートを重ねていくという工法です。
日本の防水工事の中でも100年以上の歴史を持つ工法であり、高い信頼性と安定性を誇っています。
高温のアスファルトはすぐに冷えて固まるので防水層が比較的すぐにできるというメリットがあるのですが、アスファルトを高温で溶かしていく際に「煙が出る」「臭い」という特徴があるため、近隣住民への配慮が必要となる方法でもあります。

トーチ工法とは

熱工法ではアスファルトを高温で溶かす作業と防水シートを貼り付ける作業を別に行うことになるのですが、こちらのトーチ工法では同時に行うことができます。
近年主流となってきている工法であり、アスファルトシートを800~1000℃という高温のトーチバーナーで炙りながら施工を行っていきます。
この際改質アスファルトシートと呼ばれるシートが利用されます。
トーチバーナーで炙りながら防水シートを貼り付けていくので効率的に作業ができます。
防水施工の後にすぐに防水効果が見込めるというメリットもある工法ですが、高い技術力が求められるだけでなく、やはり施工中には炙っている際に臭いが出るというデメリットもあります。
また、複雑な形状をしている建物には施工できませんし、木造の建物にも使用することはできません。

冷工法とは

こちらはその名前の通り、他の工法のように高温でアスファルトを溶かすことなく防水施工を行う方法です。
トーチ工法で利用する改質アスファルトシートの裏側に粘着層のコーティングを行うことで高温で溶かすことなくシートを接着させていきます。
アスファルトを溶かす際の熱、煙、臭いを出すことなく施工できる工法ですが、シート同士を接着するのに多くのシートを重ねていく必要があるため、防水層の重量が大きくなってしまうというデメリットがあります。
煙や臭いを出したくない場合などに多く使われる工法です。

ウレタン防水工事の種類、メリット、デメリットとは

ウレタン防水とは液体状のウレタン樹脂を塗り固めることで防水層を作っていくという工法です。
近年施工数がもっとも多くなっている防水工事の工法ともなっています。

ウレタン防水のメリットとデメリットとは

ウレタン樹脂を塗ることで防水層を作っていくという工法ですので、複雑な形状をしている建物でも使用することができます。
また、劣化しにくいという特徴もあるため耐用年数が長く、メンテンナンスをしっかりと行うことで半永久的に利用することができるというのも大きなメリットとなっています。
作業もそれほど難しいものではないため、工期も短くコストも低く抑えることができるというのも広く利用される理由となっています。
ただ、完全に手作業になるために技術が足りない職人が作業をすると塗装にムラが出てしまうというデメリットがあります。
塗装にムラがあると劣化してしまう可能性があるので注意が必要です。
また、定期的にトップコートを塗装し直すというメンテンナンスが必要となります。

ウレタン防水の2つの工法とは

ウレタン防水には2つの工法があります。
一つ目は「密着工法」と呼ばれる工法です。
既存の下地にウレタンを直接塗っていくことで防水層を作っていきます。
手軽で安価に防水施工できるというメリットがあるのですが、既存の下地がそもそも同じウレタン防水でなければ施工できないということもありますし、下地に水分がある場合は防水層ごと浮いてしまうというデメリットもあります。

二つ目は「通気緩衝工法」です。
こちらは通気性のある通気緩衝シートの上からウレタンを塗っていくという方法です。
通気緩衝シートは水分を通す特徴があるため、防水層が膨れる、浮いてくるということを防ぐという効果が期待できます。
ただ、密着工法よりも手間がかかる、コストがかかる、専用の金属製の筒が必要となるといったデメリットがあり、狭い場所では施工できないという特徴があります。

塩ビシート防水工事の種類、メリット、デメリットとは

 

塩ビシート防水は塩化ビニールのシートを貼り付けることで防水層を作るという工法です。
シートは隙間ができないように機械や専用の接着剤を使ってしっかりと固定していきます。

塩ビシート防水工事のメリットとは

塩ビシート防水工事のメリットは「下地を選ばない」ということがあります。
一般的に防水工事を修理、補修、メンテナンスで行う際には既存の防水層をすべて撤去した上で新しく補修工事を行っていくこととなります。
ただ、塩ビシート防水工事では下地がどのような素材であっても施工することができるという特徴があります。
違う素材の下地であっても重ね貼りすることができるというメリットがあるのです。

塩ビシート防水工事のデメリットとは

塩化ビニールのシートを貼って施工するという方法ですので、「複雑な形状をしている」「凹凸がある」「障害物がある」という場所では施工することができません。
また、工事を行う際に機械を使う場合には騒音が出るということもあります。
それがデメリットと言えます。

FRP防水工事の種類、メリット、デメリットとは

府中市にて行ったテナントビルの雨漏り修理の様子 完工後

FRP防水とは、建物下地の上にFRP(繊維強化プラスチック)製のシートを敷いた上でさらにその上から樹脂製のトップコートを塗って硬化させることで防水層を完成させていくという工法です。

FRP防水工事のメリットとは

こちらは新築の戸建て住宅で多く使用されている工法です。
ガラス繊維が含まれる強化プラスチックを使うことで高い防水性、耐久性を誇っています。
木造のベランダや土間で多く使用されているこの工法は塗膜の硬化が速いために工期が短くなるというメリットがあります。

FRP防水工事のデメリットとは

防水性や耐久性が高い、工期が短いというメリットがあるFRP防水ですがいくつかのデメリットもあります。
まずすぐに硬化するFRPは伸縮性が非常に低いということもあり、ひび割れが起こりやすいということがあります。
そのため、広範囲の床面には利用することができません。
また、どの業者も扱っているというものではなく、不慣れな業者もあるという特徴もあります。

トップコートのメンテナンスについて

いろいろな防水工事の種類がありますが、基本的なメンテナンスに「トップコートの塗り直し」というものがあります。
ほとんどの防水層の一番上にはトップコートと呼ばれているコーティングがなされています。
このトップコートがしっかり機能しているうちは高い防水性を発揮することができます。
また、紫外線から防水層を保護するという役割も果たしています。
「アスファルト防水」「ウレタン防水」「FRP防水」の防水層の上にはトップコートが設置されており、「塩ビシート防水」はトップコートは必要ありません。
トップコートは耐用年数が5~10年程度となっているので、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

まとめ

建物の屋上、屋根、バルコニー、ベランダといった部分は雨風や紫外線の影響を受けやすくなっているために劣化しやすい部分でもあります。
こうした部分を保護するために防水層をしっかりと設置する必要があり、さまざまな防水工事が行われます。
防水工事にもさまざまな種類があるため、建物の状況や周囲の環境に合わせて選んでいくと良いでしょう。

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